ウクライナは、1991年にソ連邦から独立したが、その後は、次第にロシアよりも西側諸国との関係を深めて来た。2014年のロシアによるクリミアの併合は、ウクライナは当然認めておらず、日本を含む西側諸国も同様である。宗教面でも、多くのウクライナ国民が信仰しているとされる、ウクライナ正教は、2018年10月にコンスタンティノープル総主教庁の承認を得てロシア正教会から独立、これを受けてロシア正教会は、世界の正教会の筆頭格である、コンスタンティノープル総主教庁と断交した。ちなみに、日本ハリストス正教会もロシア正教会側に立ち、同総主教庁と断交している。ロシアとウクライナとの対立が、政治的な領域に止まらず、宗教的な関係にも及んでいることは、両国の対立を深化させ、戦争へと導こうとする者たちの策略であろう。
私たち日本人は、日本が四方を海に囲まれており、イメージし難いが、仮にウクライナがNATOに加盟し、アメリカ軍など西側軍隊が同国に駐留する、あるいは同国の基地を自由に使用できるとなると、ロシアにとっては、安全保障上極めて重大な事態となる。例えるなら、カナダかメキシコがロシアと軍事同盟を結び、国内にロシア軍が駐留することになったらどうであろうか?アメリカは、そうなることを口先の抗議だけで見過ごすだろうか?1962年11月のキューバ危機に際しては、当時のアメリカ・ケネディ政権は、最悪の場合核戦争に突入するリスクを承知で、カリブ海において海上封鎖を行い、ソ連がキューバに配備した核ミサイルを撤去させた。ロシアが、ウクライナのNATO加盟を戦争覚悟で阻止しようとしていることは、彼らの側からすれば当然であろう。
最近、インターネットで視聴した、スペイン人の歴史学者であり神学者である、ダミアン・ガレロン氏の警告メッセージを動画に編集したとされるビデオがある。「2021年から2022年にかけて起こること(Events to come for 2021/2022)」と題され、英語の翻訳ナレーションが付いたその動画は、映画のシーンをつなげたり、CG映像などを多用した手の込んだものである。世界統一政府樹立を企む、イルミナティ側の偽情報という可能性もあるので、吟味しながら数回視聴した。結論としては、内容の全てを鵜呑みにすることは出来ないものの、近い将来起こり得ることに着目させる、視聴者に対するアラートの効果はあると判断した。ガレロン氏は、ロシアとアメリカの情報機関の、それぞれ最高幹部クラスから情報を得たと言う。その通りだとすれば、情報源の意図は、イルミナティの陰謀を暴露して人々に警鐘を鳴らそうとしているのか、それとも、逆に人々に恐怖を植え付け、抵抗を諦めさせようとしているのか、いずれかであろう。
そのビデオ・メッセージによると、今後連続した3段階で世界に大きな出来事が起こると言う。まず、各国に大停電が起こされる。それは、ヨーロッパで広範囲に雪が降る1月か2月に起こされると言う。1ヶ月に及ぶこの大停電により、電気だけでなく、インターネットを含む全ての通信が遮断され、食料の供給は途絶する。国際航空便は、全面的に運航を停止し、陸上交通も麻痺する。大停電の間、各国では戒厳令が敷かれ、人々は自宅に留まるよう命じられると言う。ビデオの中で、グローバル・エリートとして語られる彼らの目的は、世界の人口の削減であり、3年間のうちに50億人を削減することが目標だと言う。今年10月に全世界的に一時的な通信障害が発生したのは、彼らの予行演習とされる。ガレロン氏は、最低限5ヶ月分の食料を備蓄するよう勧めている。
大停電が終わる時、今後は第3次世界大戦が起こされる。主要な戦場はヨーロッパであり、ロシアと中国の連合軍が侵攻する。そして、アメリカも攻撃を受ける。攻撃には大陸間弾道弾などの核兵器も使用され、3週間の内に22億人を殺害する計画とのことである。この戦争により、ヨーロッパの50パーセントは壊滅する。アメリカは、戦争開始から2年以内に、1億8,000万人が犠牲になると言う。その後、3番目の段階へと進むが、直径7キロメートルもある巨大な隕石が地球に落下する。隕石はその際2つに分裂し、大きい方は太平洋に、小さい方は大西洋に落下する。それは、2023年か2024年の5月に起きるそうだ。計算では、隕石落下により生じた、高さ500〜600メートルの巨大な津波により、大西洋のすべての島々は消滅し、ニューヨークなど各国の沿岸部にある都市もことごとく消滅する。これらのことは、5月に月が赤く変わる時に起こると言う。なお、核戦争や隕石による巨大災害が起こっている間、それを待ち望んだ者たちは、地下都市そのものである巨大シェルターで、快適な避難生活を送る計画らしい。
23分少々にまとめられたこのビデオの中では、カトリック教会のミサから聖体(カトリックの聖餐式である聖体拝領に用いられるパン、キリストの体がパンに現存するとされる。)が取り除かれる時が来ると言う。それ以降のミサは、全て悪魔的な儀式へと変わるそうである。ガレロン氏は、推察するに、スペインのカトリック系大学の教授であろうが、終末論を長年研究して来たように思われる。また、カトリックの預言者(幻視者とも言われるようであるが。)が語ったという預言も引用していることから、聖霊の賜物についても受け入れているようである。ビデオ・メッセージでは、現在のローマ教皇は悪魔崇拝側から送り込まれた人物であることも明らかにしており、カトリック教会の悪魔化を憂慮していることが伝わる。ビデオは最後に、人々に神の前に悔い改めて祈ることを呼びかけ、主の祈りで終わる。前述のように、情報源による情報提供の意図が、正邪どちらとも受け取れるのだが、少なくとも、イルミナティの計画を暴露していることは間違い無いと思われる。全てを鵜呑みにすることは危険であるが、今後の世界の動きとも照らし合わせながら、彼らの策略を見抜くための参考にはなるかも知れないと思い、あえて概略を紹介した。
「あなたがたは、これらすべてのことを見たなら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい」(マタイによる福音書 24:33b 新共同訳)
もう1つ、アメリカとロシアの戦争に関する預言を紹介したい。こちらの方は、預言した人物は間違いなく神の人であると断言できる。私も1度だけお会いする機会があり、その際に祈ってもいただいたが、謙遜で柔和な聖霊に満たされた器である。その神の人、ヘンリー・グルーバー師は、祈りの歩行(Prayer Walking)の実践者として知られている。同師は何度も来日し、日本ために各地で祈りとメッセージの奉仕をされた。2019年10月に召天されたが、同師を通して語られた神のメッセージは、今なお多くの人々に励ましと慰めを与えている。グルーバー師は1986年に、祈りの歩行の最中、神からある幻を見せられた。それは、ロシアの指導者が、アメリカに対して激しく怒っているシーンから始まる。次に、ロシアの軍港から多くの潜水艦が出港し、密かにアメリカ大陸沖に展開する。グルーバー師は、すぐに警戒警報が発令されるものと思ったが、アメリカでは誰もロシア潜水艦の接近に気が付かない。驚いて見ていると、海中の潜水艦から一斉に核ミサイルが発射される。ミサイルは、アメリカの主要都市に着弾し、核爆発でそれらの都市は破壊される。幻があまりにもリアルだったため、その幻が終わった後、今にも警報が出されると思ったほどだったと言う。
現在進行中のウクライナを巡るアメリカとロシアの対立が、果たして戦争にまで突き進むのかは、現時点では確定的なことは言えない。しかし、これはイルミナティにとってはゲームかも知れないが、世界の人々にとっては、真剣に憂慮すべき現実である。旧約聖書のエゼキエル書には、ロシアがイスラエルに攻め込むと解釈される預言がある。その預言には、時を同じくして、別の国も侵略するとも解釈可能な記述がある。その別の国とは、アメリカを指しているようにも捉えることが出来る。もしアメリカとロシアが戦争に至るならば、それは世界が世の終わりに入ったことを意味する。世界は今、かつてのキューバー危機と同様、核戦争の脅威が現実的になりつつある状況である。私自身は、アメリカとロシアの軍事的衝突は、ひとまず回避される可能性が高いと考えている。希望的観測であるかも知れないが、もうしばらくの間、神は人類に再生の機会を与えてくださるのではないだろうか。私たちは、世界平和のためにも、祈り続けることが重要である。