外国人観光客の多くは、政府やマスコミが喧伝するように、日本に特別な魅力があるからと言うよりも、円安でお得に海外旅行が出来、比較的治安が良く食べ物も美味しいと言う理由で来日するのであろう。ちょうど、1990年代頃までの日本人が、韓国、台湾、香港などへ、グルメや買い物目当てで気軽に旅行したようなものである。今は未だ、中国からの観光客来日が本格的に再開されていないが、それが解禁されれば、各地の観光地に中国人が大挙押し寄せるであろう。私の知人で、旅行会社を経営している中国人社長の話では、中国には、日本人と同程度か、それ以上に豊かな人々が約3億人いるそうである。その人々は、手軽に海外旅行に行く先として日本に熱い視線を送っているとのこと。一時期話題になった「爆買い」も、転売益を稼ぐ目的があるにせよ、商品によっては、もはや日本の方が、品質が良いにも関わらず安価だからである。既に、日本人と中国人の購買力が逆転しているのだ。
来日する外国人が増えているのは、何も観光客ばかりではない。事実上の移民もそうである。本ブログ記事No.145 「人口急減中の日本」で書いたように、現在進行形で人口の急減が起こっている日本であるが、本来は、人口急減の原因を早急に特定し対策を打ち出すことと、日本人の出生数を増やすこととのいずれも必要である。だが、これらの問題に対する政府のこれまでの姿勢からして、政治家や官僚たちは、日本人が減少した穴埋めに移民を増やせば良いと思っているのではないかと疑う。私は、日本人では必要数を充足出来ないような職種において、専門能力や技能を有する外国人を受け入れるのには反対でない。また、政治的、宗教的理由で迫害を受けている人々に対して、安住の地を提供することは、日本の使命の1つであると思う。問題なのは、低賃金労働者としての移民と、日本にとって有害な活動を行う工作員やその協力者である。
ところで、出入国在留管理庁が発表した、2022年6月末現在における中長期在留者数は266万人9,267人、特別永住者数は29万2,702人で、これらを合わせた在留外国人数は296万1,962人となり、2021年末に比べ、20万1,334人、7.3パーセント以上増加した。在留外国人は、90年代末以降増加の勢いを増し、2001年末の178万人から前記の人数へと、20年少々で1.7倍近くになっている。国別では、中国が約74万人と25パーセント以上の割合である。以下、ベトナム約48万人、約16パーセント、韓国約41万人、約14パーセントと続く。中国人が全体の4分の1以上を占めているのは、留学生として来日し卒業後は日本で就職する人々が多いことと、帰化したり永住権を取得した人たちの親族が来日するケースが多いことと推察される。当然のことながら、かなりの数の中国情報機関や共産党工作組織の要員が含まれていると思われる。中には、日本政府や民間財団の奨学金を受給していた留学生が、その実、情報機関要員であったと言うケースも少なくないのではと疑う。今の日本は、実にお人好しの国である。
多くの国民が経済的に苦しい生活を余儀なくされている現状において、低賃金の技能実習生以外の外国人を厚遇し、どちらの数も増やそうとしているのは、もちろん日本政府である。故安倍晋三首相は、2016年4月19日に開催された産業競争力会議で、新たな成長戦略について、「第4次産業革命を担う優秀な人材を海外から呼び込みたい。」と述べている。その上で、「永住権取得までの在留期間を世界最短とする。」と表明した。自公政権が保守ではなく、グローバリストの走狗であることがよく分かる発言であろう。日本の永住権取得を望んでいるのは、欧米諸国の人々よりも、中国人や韓国人が圧倒的に多いことは言うまでもない。永住権を取得した人々の中には、帰化を目指すケースも少なくない。その理由は、日本のパスポートを保有している方が、中国のそれよりも、簡便に渡航できる国々が多いなど、ビジネスや生活上のメリットが大きいためであろう。そんな彼らに、日本に対する忠誠心などあるはずも無い。いい加減日本も、アメリカのように、帰化する際には、他国に対する一切の忠誠を放棄する宣誓を必須とすべきであろう。評論家の石平氏(帰化した中国系日本人)のように、心から日本を愛してくれる中国人なら大歓迎である。
日本人の多くが、自分と家族さえ幸せならば良いという狭窄的な考えで生きて来た間に、いつの間にか、日本の要所は、外国の強い影響下にある人々によって占められてしまった。はっきり言って、無邪気にインバウンドを呼び込んでいる場合では無い。世界史において、先住民族が武力や計略に勝る他民族に征服され、被支配民族となったり絶滅の危機に瀕した事例は枚挙にいとまが無い。このままでは、遠からず日本民族もそうなるだろう。その時になって初めて真実に気づいても、既に取り返しが付かないのである。日本人の日本は、今まさに存亡の危機にある。
「お前たちはわたしの聖所の務めを守らず、お前たちの代わりに外国人をわたしの聖所で務めを行う者にした」(エゼキエル書 44:8 新共同訳)