さて、ポイント・オブ・ノー・リターンという言葉がある。帰還不能点や回帰不能点などと訳される、元々は航空用語である。飛行機が離陸のため滑走路を走る時、ある地点を過ぎると取り止めることは出来なくなる。その地点を過ぎてから離陸を止めると、オーバーランで事故になるからである。あるいは、目的地に向かって飛行中、ある地点を過ぎると、出発地に戻ることは出来なくなる。戻るだけの燃料が残っていないからで、そうなると、そのまま目的地に向かって飛行を続けるか、その手前に着陸可能地点があれば、そこに向かうしかない。転じて、この言葉は、引き返すことが出来る最終段階を言い表す時にも使われる。
昨年1月以来、国内外の状況を観察する中で、ワン・ワールド化へ向けて、世界が急激に変化して来たと感じる。私も昨年までは、パンデミックがそのための手段だと思っていた。しかし、今はっきりと世界中に現れていることは、パンデミックを理由としたワクチン接種キャンペーンが、ワン・ワールド実現のための手段であるということだ。これまでも書いて来たように、現在進行中の新型コロナ・ワクチン接種キャンペーンは、私たちの命と健康を守るための手段ではなく、社会を正常化するための方策でもない。彼らの目的は、世界統一政府樹立のために、人々に対する管理を飛躍的に強化することにある。であるから、ワクチン接種と共に、ワクチン・パスポートを導入しようとしているのだ。
各国政府による、新型コロナ・ウイルス流行対策を名目とした社会生活の規制と、ワクチン・パスポート導入に対しては、欧米諸国を中心に人々の反発が強く、強権的な政府に対して各国で大規模な抗議活動が続いている。イギリスでは、国民の反発を受けて、ジョンソン政権は、一旦はワクチン・パスポート導入を断念した。一足早くワクチン・パスポートの導入に踏み切ったフランスや、徹底した行動コントロール政策を採り殆ど鎖国状態となったオーストラリアでも、怒れる国民による抗議活動が継続中である。ネット上でも、モグラ叩きのように消されまくっても、自由を守ろうと、多くの人々による様々な情報が掲載されている。
世界規模で現在進行中の、ワクチンをツールとしたワン・ワールド化への動きと、それに反発する民衆の抵抗は、どちらが勝利するかで、世界の運命が決まる段階に来ていると言えるだろう。もし、彼ら、即ち、世界統一政府推進派が勝利したら、世界は一気に終末に突入し、決して後戻りは出来ないだろう。ヨハネの黙示録などに預言されている、世の終わりの最終段階、7年間の患難時代の幕開けが目の前に迫ると言うことである。逆に、自由を守ろうとする世界中の民衆が勝利したなら、悪魔崇拝者らは一旦退却して態勢を立て直す他無く、暫くは世界に再び自由の風が吹くだろう。
私たち自身の人生においてもそうであるが、進む道がある方向に確定する前には、引き返せる点というのがある。例えば、事故のように一瞬の判断ミスで最悪の結果につながるということもあるが、人生の多くの局面において、どこかで分岐点あるいは回帰不能点があるとは言えないだろうか。決して特定の誰かを指し示しているのではないが、A男さんとB子さんが恋に落ちたとする。2人の気持ちが燃え上がり、結婚を堅く誓い合い、期日まで定めたとすと、もうそれはポイント・オブ・ノー・リターンを超えたということであろう。そうなると、もはや誰も2人を止めることは出来ない。
個人の結婚問題であれば、行く末がどうなっても、通常は無関係の人たちには影響は及ばない。しかし、これが国家規模、まして世界規模の問題であれば、そうは言えない。結果がどうなるかは、世界中の人々の命運がかかっている。今なら、まだ世界は、かろうじて破滅への道を引き返すことができる。私たちに今必要なことは、世界が今どの方向に向かっているかを認識し、それに対する自分自身の考えを持ち、直面する一つ一つの問題に対して、正しい選択をすることである。私を含めた多くの日本人は、欧米諸国などで起こっている抗議デモのような、直接的行動には出たくないのが本心であろう。そこは、和をもって尊しとなす国民性である。しかし、いよいよ私たちの自由が奪われるような、ポイント・オブ・ノー・リターンの状況になれば、場合によっては、大規模デモに参加する選択もあるだろう。
もちろん、神を信じる者たちは、祈りによって問題に勝利するのが基本である。祈り無き政治的行動は、神の導きに反してしまう危険がある。しかし、社会の一員として政治的行動に参加することが、不信仰的という訳では決して無い。だから、欧米諸国での抗議行動には、クリスチャンも多く参加している。声を上げるべき時には、大いに声をあげて良いのだ。私が人生の中でデモに参加したのは、サラリーマン時代に労働組合の動員で春闘デモに参加したことと、2012年に都内などで大規模に開催された原発再稼動反対デモに数回参加したことだけである。それ以外は、投票行動以外の政治的行動はして来なかった。本ブログは、政治ブログでは無いので、政治的行動についてこれ以上は書かない。私たちには、祈りによって大きな力がある。世界中の兄弟姉妹と共に、この世界が正しい道に立ち返るよう、祈り続けようではないか。今なら、まだ引き返せるかも知れないから。
「バラムは主の御使いに言った。『わたしの間違いでした。あなたがわたしの行く手に立ちふさがっておられるのをわたしは知らなかったのです。もしも、意に反するのでしたら、わたしは引き返します。』」(民数記22:34 新共同訳)