以前より、ディズニーランドについては、良くない話も耳にすることがあったが、最近も、そのようなニュースがあった。ロイター通信電子版2022年4月22日付記事によれば、アメリカ・フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は4月22日、ウォルト・ディズニーが同州内のテーマパーク「ディズニーワールド」を自治区のように運営できる権利を廃止する法案に署名した。デサンティス氏が特別地区の権利廃止を議会に要請し、法案が可決されていた。同社がLGBTQを巡る州政府の政策に反対したことを受け、知事が報復した格好とのことである。これまでディズニーは、特別地区制度により、過去50年にわたり、消防や水道といった公共サービスを提供し、郡政府のように機能してきた。代わりに税制上の優遇措置を受けられる債券を発行し、施設整備に充てることが可能だった。今般のフロリダ州知事と議会の行動を受けて、ディズニーは、州内の学校教育でLGBTQに関する話題を取り上げることを禁じた新法に反対し、フロリダ州への政治献金を停止する方針を表明した。デイサンティス氏は、これまで移民や中絶、LGBTQの権利などで保守的な立場を表明しており、今回の対応も保守層へのアピールとも受け取られているとのことである。
ディズニーランドがLTBTQに対して好意的に行動していることは、日本でも次第に知られて来ている。東京ディズニーランドは、ウォルト・ディズニー・カンパニーとライセンス契約を締結している、オリエンタルランドが運営しているが、昨年3月から、場内の英語案内放送で、性別を含む表現をジェンダーフリー的なものに変更したと聞く。具体的には、「レディース・アンド・ジェントルメン」、「ボーイズ・アンド・ガールズ」を「ハロー・エブリワン」などの表現に変更したとのこと。ちなみに、ウォルト・ディズニー・ジャパンの公式ホームページには、次のように謳われている。「ウォルト・ディズニー・カンパニーは、毎年、プライドと私たちのプライド・コレクションを記念して、LGBTQ+コミュニティを支援する世界中の団体に寄付をしてきました。(中略)2022年のプライド・コレクションでは、さらに支援を深めていきます。その詳細は日本での取り組みと併せて、6月のプライド月間に公表します。」なお、プライド月間とは、LGBTQ+の権利を啓発する月間のことである。
近年、ディズニーの映画作品では、LGBTQ擁護のメッセージが公然と盛り込まれるようになった。例えば、同社製作の映画「美女と野獣」(2017年)では、ゲイのキャラクターが登場した。また、ディズニー映画には、サブミナル効果を狙ったものか、性的シンボルなどが巧妙に隠されているともされ、それらを検証するインターネット・サイトなどもある。創業者のウォルト・ディズニーはゲイでは無かったと言われるが、ご多分に洩れずフリーメーソン会員ではあった。LGBTQ(最近では、LGBTQIA+とまた長くなった。)を積極的に擁護するディズニーの真意が、顧客層をより広げようとの商業的動機なのか、それとも、道徳的退廃を図ろうとする広義の宗教的動機なのかは、明確に決めつけられないのかも知れない。しかし、確実に言えることは、彼らの顧客、特に子供たちに対して、聖書的には性的倒錯であることを、あたかも自然的な個性として受け入れさせる効果は十分あるということだ。
私たちは、LGBTQと自認する人々に対して、そのことゆえに差別的な扱いをしてはならないが、かといって、聖書の正しい教えを曲げることがあってはならない。もし、彼らが、真摯に神を求めて教会に来るならば、受け入れることも必要である。しかし、神の定めた創造の秩序に反することは、決して容認すべきではない。LGBTQの人々に本当に必要なことは、魂の深い部分における癒しと解放であり、それは神の力でしか実現出来ないと思う。聖書の教えを信じるクリスチャンの中でも、ディズニーのファンはいるだろうが、ファンタジーの向こう側にある、その真実は知っておくべきであろう。
「こういうわけで、神は彼らを恥ずべき情欲に引き渡されました。すなわち、彼らのうちの女たちは自然な関係を自然に反するものに替え、同じように男たちも、女との自然な関係を捨てて、男同士で情欲に燃えました。男が男と恥ずべきことを行い、その誤りに対する当然の報いをその身に受けています」(ローマ人への手紙 1:26-27 新改訳)