まず、政治状況についてであるが、今般の総選挙の結果が、これから国民に重くのしかかって来るだろう。自公維国の改憲勢力と言われる諸政党で衆議院の3分の2以上を占めたことで、早ければ来年の参議院選挙と同時の国民投票を目指して、あるいは遅くとも4年以内には、国会での憲法改正発議が行われる可能性が出てきた。誤解を恐れずに書けば、私は、憲法とて不磨の大典とは思わないし、国軍の保持は主権国家の権利であると考えている。しかし、対米従属構造から脱するでもなく、大日本帝国体制との親和性がある政治思想を有する勢力が台頭する中での改憲は、仮に実現すれば、政府ではなく国民を縛るものへと憲法の性格を変えるであろう。新生日本国軍となった自衛隊が、有志連合の先鋒として中東などの戦場へと派遣されるようになれば、再び国民にとっては悪夢の時代が始まるだろう。
もう1つ気になったこととして、台湾の半導体メーカー、台湾積体電路製造(TSMC)が、ソニーとの共同出資の形で新会社を設立し、熊本県内に半導体工場を建設するとのニュースがある。TSMCは、世界における最大手クラス半導体メーカーの1つであり、新会社は同社が過半数を出資すると言う。設備投資額は8,000億円規模となるとされ、約1,500人の新規雇用が創出されると見込まれている。かつて1980年代後半には、日本の半導体生産は、世界市場シェアの過半数を超えていた 。1990年には49パーセントであった日本の世界シェアは、30年後の2020年には6パーセントにまで低下した。代わりにシェアを大きく伸ばしたのは、米国と日本を除くアジア各国(韓国、台湾、中国)である。失われた30年とも称される日本経済の低迷は、先端技術関連製造業の状況にも如実に現れている。
改憲を巡る状況の背景にある、日本社会の右傾化(国粋主義とも少し違う、対米従属を是とする歪んだ右傾化か)と、半導体産業の凋落にも象徴される日本経済の低迷とは、密接にリンクしていることは明らかであろう。長期間の経済の低迷は、多くの国民にとって、生活が苦しいか、あるいは株価などの数的指標で示される、あるはずの豊かさを実感できない状況が続いているということである。それでも、将来に希望が持てるのであれば、一時の苦境は耐え忍ぶことも出来る。しかし、希望が見えず、袋小路のように、苦境からの脱出の道が見出せない状況が続くならばどうであろうか。社会には閉塞感が漂い、人々の心には落胆とストレスとが沈殿する。そのような状況の中で、日本民族の優秀さや日本の素晴らしさを唱える主張は、人々の心に響き易い。一部に指摘されているように、ヒトラーが率いるナチスが台頭した当時の、ドイツの状況にも似ているのかも知れない。しかし、決定的な違いもあり、それは、ヒトラーはドイツ経済を立て直し、少なくとも大戦前までの間は、ドイツ国民の生活を苦境から脱出させたが、現代の日本の指導者らはそれが出来ず、また、やろうともしていないことである。
昨年来の新型コロナウイルス流行を通じて、より鮮明になったことは、日本も世界も、一握りの人々によって、誤った方向へと導かれていると言うことである。地球温顔化問題やSDGsなどの欺瞞についても、それが当てはまるが、大きな問題であるほど、全ては予め計画されていたと言うことである。彼らの最終的な目的は、これまでのブログ記事でも度々書いて来たように、世界統一政府を樹立し、支配者集団を除く全人類を奴隷化することである。その時には、キリスト教を筆頭に全ての宗教は廃止され、悪魔崇拝が唯一の宗教とされる。これは決して陰謀論などでは無く、これまでの歴史と現在世界で起こっていることとを、聖書の記述に照らし合わせると、はっきりと分かることである。彼らの計画の中で、日本はどんな役割を負わされているのか。これについては諸説あり、中国と戦争させて両者をすり潰す計画との見方も出来るし、ATMとして骨の髄までしゃぶり尽くすと言う企てかも知れない。いずれにせよ、彼らにとって日本は手駒に過ぎないのであろう。
私たち日本人としては、テレビの垂れ流すゴシップなど低俗な話題に惑わされて、今この国に進行中の、重大な事態に気が付かないと言うことが無いようにしたい。例えば、真子氏と小室氏の結婚についてなど、一般国民にとって騒ぎ立てるような問題ではない。小室氏夫妻で新宮家を創設するならともかく、一般国民としての新家庭である。国民には、二人の結婚に反対する権利はそもそも無かったし、真子氏をして皇籍離脱の一時金を辞退せざるを得なかったような批判をするなら、はるかに巨額の、政治家や官僚による国費の簒奪こそ厳しく糾弾すべきではないか。思い返せば、小泉政権の頃から、より露骨になって来たことであるが、日本という国は、権力者たちが各界の利権集団と手を組んで、国民から搾取をする国家になり下がってしまった。明治維新以来その性質があったのだが、敗戦でも完全にはリセットされず、今では、それがさらに深化していると言えよう。このような政治体制は、泥棒政治(クレプトクラシー)と呼ばれる。
その昔、私がまだテレビを日常的に視ていた頃であるが、東北地方のある街で、ちゃぶ台返しコンテストが開かれた様子が放映されていたのを覚えている。進行役のおばちゃんの掛け声を合図に出場者がちゃぶ台をひっくり返し、一番飛距離を出した者が勝ちである。その掛け声とは、「あんた、も〜やめて〜」というものであった。テレビアニメ「巨人の星」に登場する頑固親父、星一徹が、怒ると食事中のちゃぶ台をひっくり返していたことを思い出す。私たち国民は、この国に巣食い利権を貪る者たちに対して、「いい加減、あんたら、も〜や(止/辞)めろ!」と、ちゃぶ台を返して三行半を突きつけなければならないだろう。そのためには、まず私たちの意識を覚醒させる必要がある。神の言葉である聖書を読んで、その教えに従うことは、その為の有力な助けになる。いや、それ無くしては、ましてや世界支配を目論む者たちの策略を見抜き、彼らに対抗することが、どうして可能となるだろうか。
「だから、神に服従し、悪魔に反抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げて行きます」(ヤコブの手紙 4:7 新共同訳)