同記事には、日本の物価や賃金の伸び悩みの原因について、大学教授の解説があったが、紙幅の都合もあってか、表層的な分析が書かれるにとどまっていた。だが、専門家による分析に頼らずとも、物事には原因と結果の法則があることを踏まえて、誰でもその原因を導き出すことが出来るだろう。単純かつ控えめに言えば、誰かが日本を豊かにしようとしなかったからである。誰が?直接的には、日本の政治家たちがである。さらに突き詰めるなら、そのような政治家たちを選んで来た選挙民、日本の国民自身である。もちろん、健康上などの理由が無いのに投票を放棄した人々は、白紙委任であるので同罪である。だが、最大の「犯人」は、事実上の宗主国のアメリカであることは論を待たない。日本を利用しようとする中国や韓国の動きは、どちらかと言えば、アメリカに便乗したコバンザメ戦略であろう。
飛ばし記事が珍しくない産経新聞の報道だったので真偽は不明であるが、アメリカのローレンス・サマーズ元国務長官は、東日本大震災が発生した直後の2011年3月23日に、「誠に残念ですが、日本は貧しくなるでしょう。」と発言したらしい。仮に、この発言が事実であれば、「彼ら」の予想ではなく計画を告知したものであったのだろう。事実でなかったとしても、「彼ら」なら言いかねない本音であろう。これまでも本ブログで書いて来たように、「彼ら」とは、一般のアメリカ国民ではなく、アメリカという国家に寄生している悪魔崇拝のグローバリストらのことである。「彼ら」は、第2次世界大戦の戦利品である日本を、骨の髄までしゃぶりつくし、とことん利用する意思を持っていると断じて差し支えないであろう。
日本は敗戦後今日に至るまで、アメリカのくびきに加え、獅子身中の虫たちに食い荒らされて来た。売国の政治家、国民に対して冷酷な官僚、金儲けになれば独裁国家にも尻尾を振る財界人、体制の宣伝機関マスコミの似非ジャーナリスト、科学よりも金の御用学者等々である。考えようによっては、足を引っ張る存在がこんなに蠢いているのに、よくも一応は経済大国、先進国として、ここまでやって来れたものである。国民の勤勉さに加え、人口増加、いわゆる人口ボーナスの恩恵が大きかったと思う。しかし、それも既に終わり、人口減少、すなわち人口オーナスが今後も続いて行く。小手先の対策では、没落国家になるしか無いのである。
7年以上前のインタビューでの発言であるが、PRESIDENTオンライン版2015年1月12日付記事にあった、高名なアメリカ人投資家であるジム・ロジャース氏の、日本に対する警鐘が現実となっている。同氏曰く、「安倍晋三首相は最後に放った矢が自分の背中に突き刺さって命取りとなり、日本を破綻させた人物として歴史に名を残すことになるでしょう。自国通貨の価値を下げるなんて、狂気の沙汰としか思えません。円はここ数年で45~50%も下落していますが、これは先進国の通貨の動きとしては異常です。このようなことが起きると国家は崩壊し、時には戦争に発展します。」とある。この記事が出た当日の円ドルレートは、1ドル119.87円であったが、第2次安倍政権が発足した2012年12月26日時点では、1ドル85.35円であった、それから9年半後の現時点で、1ドル134.円近辺である。何と、約58パーセントも下落している。外国から見れば、日本はバーゲンセール中であって、冒頭に紹介した京都新聞記事のようになるのが必然であろう。
ジム・ロジャース氏は「予言」し、異常な円安政策の行き着くところは、日本国家の崩壊と、あるいは戦争の勃発であると言う。それでは、現在の日本はどうであろうか?安定した国家であり、戦争が起こる可能性は極めて低いのだろうか?私は、現在の日本は、社会が不安定化しており、国力が下降の一途であって、口先だけは愛国者の、似非保守の狂人らは戦争を指向しているとの見方である。このまま進めば、戦争勃発が無かったとしても、やがてはアジア最貧国の1つに転落すること必至である。これまでは考えられもしなかったことだが、北朝鮮でさえ、その豊富な鉱物資源と発展途上の労働力を活かし、最小限中国並みの改革・開放が進むなら、国民一人あたりでは、日本よりも豊かになる潜在力を有していると思う。来月には参議院選挙が行われるが、私たちは、もっと日本の現状に危機感を抱き、1つ1つの選挙にも真剣に1票を投じる必要があるだろう。
以上の記事では触れなかったが、日本が着実に貧しくなって来ている種々の要因の背後には、霊的な動きが存在する。「偽りの霊」、「高慢の霊」、「貧困の霊」、「恐れの霊」など、この国に対して働く悪霊どもが、国内外の人々を用いて、日本を貶めてきた。対抗するには、イエス・キリストによる神の力と知恵を受けるほか無い。日本の政治的、経済的問題は、実は霊的問題でもあるのだ。このことについては、これからも取り上げて行きたいと思う。前途多難な日本であるが、使徒パウロを通して語られた聖書の教えを1つ挙げておきたい。日本社会が今後どのような状況になったとしても、神を信じ、このお方に頼る人には、不思議な力と知恵が与えられ、その人生は神の恵みによって導かれるのである。
「わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。わたしは、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に処する秘けつを心得ている」(ピリピ人への手紙 4:12 口語訳)