同時並行的に、株価も下がっており、これは米欧でも同様である。一般論として、金利が上昇すれば株価は下がるが、6月15日にアメリカ連邦準備制度理事会が約30年ぶりの上げ幅となる、政策金利の0.75%利上げを発表したことで、ニューヨーク・ダウは大幅に下落している。その影響で、東京市場でも、株価は大幅下落を続けており、投資家たちは気が気でないだろう。日本では、国政選挙の前には、政府の意向を受けて年金積立金などから公的資金が投入され、株価を維持しようとするので、参議院選挙終了までは暴落は無いと思えるが、果たしてどうなるであろうか。なお、年金資金を運用するのは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)であるが、第2次安倍政権における「アベノミクス」の一環で、2014年に株式投資の割合が、従前の24パーセントから50パーセントに拡大されている。言うまでもなく、年金積立金は国民の財産であるので、株価が下落すれば、その分年金原資が毀損することとなり、私たちにとって、他人事では無いのである。
さて、現在日本がそうであるように、世界的にも資源や食糧、原材料などの価格上昇が進行中である。日本を含めた西側政府の説明では、これはウクライナ紛争が原因であり、従って、悪いのはロシアということである。だが、ロシア産の天然ガスなどの資源や、農作物や肥料の輸入を、制裁と称して制限しているのは、当の西側諸国である。つまり、自分達の対ロシア制裁で、自国の経済を痛め付け、自国民を苦しめて、その責任を一方的にロシアに転嫁しているのが実態である。当然、そうなると分かってやっているのである。目的は、「彼ら」が直接コントロールしているグローバル企業以外の事業者を淘汰し、市場の寡占化を進めることで莫大な利益を上げることが1つである。また、世界経済を混乱させることで、各国の経済力を削ぎ、社会を不安定化させて、世界統一政府樹立に向けての地ならしを進めることも目的であろう。
そうなると、仮に今後ウクライナ紛争で一旦停戦が成立したとしても、対ロシア制裁は継続され、世界経済の混乱は収まらない。行き着くところは、世界的規模での経済クラッシュではないだろうか。その時期としては、来年の3月から5月頃ではないかと予想する。あるいは、早ければ今年の12月頃かも知れない。楽観的な見方かも知れないが、恐らく年内は、各国の資源や食糧の備蓄と企業の在庫も含め、何とか必要最小限の資源、食糧、原材料などの流通は維持されると思うのだが。いずれ到来する世界的経済クラッシュのその時、石油や天然ガスなどの資源の大半と、食糧のカロリーベースで6割以上を輸入に依存している日本は、果たして無事乗り切れるであろうか?今でさえ日本は、需要が拡大していないのに物価が上がる、実質的なスタグフレーションの状態である。このままでは、遠からず本物のインフレになり、さらにハイパーインフレが起きる可能性が高い。こうなると、生活の質を下げるどころか、どうしたら生きて行けるか、サバイバルの領域となる。当然のことながら、犯罪や自殺も増加し、ますます世相は暗くなるであろう。
過去を振り返れば、世界のほとんど全ての国は、戦争や自然災害などによる経済クラッシュを経験して来た歴史がある。だから、賢い国は、自国の食料自給率を下げるような政策は採らない。農林水産省発表のデータによれば、集計年度は前後するが、日本の食料自給率が37パーセントであるのに、アメリカは132パーセント、カナダは実に266パーセントである。ロシアは、穀物自給率という区分であるが、124パーセントとなっている。中国の場合は、不透明な部分があるが、それでも約80パーセントと言われている。不作の場合はもちろんのこと、世界規模での経済クラッシュが起これば、どこも自国優先で食糧を確保するので、日本は現在の価格の数倍の代金を払って輸入するか、あるいは、最悪の場合は、食糧輸入の多くが途絶することになる。農家や家庭菜園を持っている人々は食糧難への耐性も強いだろうが、肥料の確保も困難になるので、自然農法で作物を栽培していない限りは、いずれ行き詰まることになる。
現在の日本では、戦中戦後の食糧難や、敗戦による社会の混乱を経験して来た世代は、次々と世を去り、彼らの記憶が十分に継承されているとも言い難い。だが、いずれ、今生きている老若男女の世代が、彼らと似た経験をする可能性が高い。そうであれば、私たちは、過去の歴史から学び、今から来るべき時のため備える必要がある。明治時代における優れた思想家の一人であった岡倉天心は、「我々は、我々の歴史の中に、我々の未来の秘密が横たわっているということを本能的に知る。」と記したが、その通りであろう。困難な時代の中、人としての尊厳を保ちながら生き抜くには、何が必要か。お金が第一との答えは不正解である。何故なら、ハイパーインフレが起きると、お金の価値は急降下して、文字通り「紙切れ」にも等しくなるからである。食糧や生活必需品を備蓄することは、災害対策を含め、もはや常識であり、それぞれの状況に応じて可能な備蓄数量が変わるだけのことである。
それでは、私たちは、常識的かつ実際的備えの他に、どのような備えをするべきであろうか?本ブログ読者の皆さんの大半は、既にその答えを持っていると思う。全能の神を信じ、このお方に寄り頼むことである。もし、未だ神に対する信仰を持っていないのであれば、是非聖書を読んで、その示す神が信じるに値する存在か、虚心坦懐に黙想してみていただきたい。全能の神とは、唯一の神であり、神々の中の一人ではない。私たちを創られた神が、私たちを、世界的な試練の中でも守ってくださるのだ。本ブログ記事で書いた、世界的経済クラッシュの起きる時期については、私の個人的予想であり、絶対的な確信があるとまでは言わない。しかし、神の守りについては、絶対的な確信を持っている。これまでの人生の中で、超自然的な神の守りを、自覚しただけでも何度も体験したからである。世の終わりが着実に近づいている今、神の守りを受けるのと受けないのでは、行き着くところが、文字通り天と地ほども違って来るであろう。
「あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。 それだから、愛する者たちよ。偶像礼拝を避けなさい」(コリント人への第一の手紙 10:13-14. 口語訳)