TRANSLATE

GlobalNavi

AD | all

1つの世界に2つの国(記事No.128)

 前回の記事をアップして以来、次の記事のテーマを決めかねていた。書くネタは多くあるのだが、タイムリーな記事となると、どうしてもネガティブなテーマを思い浮かべてしまい、書きあぐねていた。少し例を挙げると、統一教会などのカルトによる日本汚染、新型コロナ・パンデミックの欺瞞とワクチンを用いた人口削減の企み、第3次世界大戦を起こそうとする計画など、邪悪な勢力による人類に対する、また日本に対する、現在進行中の侵略のこと等々である。どちらかと言えば、夢も希望もあるテーマについて書きたいのだが…。そこで今回は、あえて時事ネタを取り上げることはせず、聖書の世界観を1つ書くことにしたい。テーマは、表題の通りであるが、これは、今家庭礼拝で出エジプト記を学んでいるので、その書から学べることでもある。

 さて、読者の皆さんの多くは、出エジプト記は何度も読んでいると思う。ざっと言えば、エジプトの地で奴隷となっていたイスラエルの民が、神が彼らの上にたてた指導者モーセの導きにより、彼の地から脱出する話である。その際、超自然的な神の奇蹟が繰り返し現され、イスラエルとエジプト双方の人々に対して、神の言葉が真実であることを証明した。中でも、エジプトの軍勢に追われたイスラエルの民の前に、紅海が2つに割れて、彼らが無事対岸に渡ることが出来た奇蹟は、「十戒」などの映画にも描かれた、非常に有名な出来事である。この出エジプト記は、また、私たちに、聖書の世界観を明確に教えている。

 出エジプト記が教える聖書的世界観の1つは、この世界には、霊的に2つの異なる種類の国々が存在すると言うことである。それは、同書でエジプトに象徴される「この世」と、約束の地として語られる「神の国」である。一般的に定義される「国(国家)」とは、国民、領土、主権の3つを備えていることが必要となる。これらのどれか1つでも欠けているなら、それは少なくとも主権国家とは見做されない。日本政府が承認していない、北朝鮮や台湾も、国家の3要素を全て備えているので、それぞれ堂々とした国である、チベットは、インド領内に亡命政府を維持しており、一応はその統治権に服する国民がいるが、領土は中共の支配下にあるので、国際社会では国家とは見做されていない。このような定義に照らせば、「この世」も「神の国」も、共に霊的な主権国家である。

 民主制国家とは異なり、「この世」の主権者は人々ではなく、悪魔であり、統治者も同様である。それは、新約聖書エペソ人への手紙2章2節において、「空中の権を持つ者」」と指し示されている存在である。「この世」に属している人々は、悪魔の支配下に置かれている。本来この世界の全ては、創造主である神が、人間に管理を委ねられたものであり、悪魔のものでは無い。しかし、それは(奴はと書きたいところだが。)、支配下に置いた人々を用いて、この世界を簒奪しようと動き、自分の領土であると主張する。「この世」では、人々はエジプトにおけるイスラエルの民の如く奴隷であり、神が意図される本来の祝福された人生を奪われ続けるのである。イスラエルの民をエジプトから去らせようとしない王パロは、もちろん悪魔を表している。

 これに対して、「神の国」では、主権者、また統治者はキリストである。国民は、イエス・キリストを救い主として受け入れ、新しい霊を与えられた人々、すなわちクリスチャンである。単にクリスチャンと名乗っているからではなく、地上の組織としてのキリスト教会に所属しているからでもない。神によって、霊的に新しく生まれ変わった人々のことである。そして、クリスチャンが存在している所は、世界が本来そのように創造されたように、どこでも「神の国」の領土である。「この世」と「神の国」に同時に属することは出来ない。霊の世界においては、二重国籍は認められていない。イエスの霊が内住するクリスチャンは全て、「神の国」だけに属している。

「神の国はいつ来るのかと、パリサイ人が尋ねたので、イエスは答えて言われた、『神の国は、見られるかたちで来るものではない。また「見よ、ここにある」「あそこにある」などとも言えない。神の国は、実にあなたがたのただ中にあるのだ』」(ルカによる福音書 17:20−21 口語訳)


 出エジプト記において、イスラエルの指導者モーセはキリストの象徴であり、また、クリスチャンの特に霊的リーダーの型でもある。モーセに従ってエジプトを出た人々は、「この世」から出て「神の国」に入った、クリスチャンの象徴である。しかし、荒野の旅路で早々に不信仰に陥り、エジプトでの生活を懐かしんだり、金の子牛象を作って偶像崇拝に堕ちた人々は、一体誰を表しているのか?霊は救われているが、魂と行いにおいて信仰から外れた人々とも考えられるし、外形だけで新しい命を持っていない人々のことかも知れない。この辺りの解釈は、人それぞれであろう。1つ挙げておきたいことは、人が「神の国」に入るのは、それ自体奇蹟であり、モーセを通して神の奇蹟の数々が現されたように、神はクリスチャンを通して奇蹟の業をなされることである。それは、「神の国」が確かにそこにあることの証明であるからである。

「しかし、わたしが神の霊によって悪霊を追い出しているのなら、神の国はすでにあなたがたのところにきたのである」(マタイによる福音書 12:28 口語訳)
read more…

偽善者たちの靖国(記事No.127)

 例年のように、今年も8月は、日本人の多くが戦争を想起する時期である。そのこと自体には、別にケチをつけるつもりは無い。しかし、とりわけ、一部政治家たちの偽善的な行動には、毎年嫌悪感を抱いてしまう。それは、靖国神社参拝のことである。あらかじめ明らかにしておきたいが、私は、閣僚であれ国会議員であれ、個人の信条に基づいて靖国神社を参拝することは、それぞれの自由だと考えている。その際に、公用車を使用するのも、警備上の必要性があれば構わないし、公職名で記帳するのも、それだけで、政教分離に反するとは思わない。玉串料などはポケットマネーで出すべきであるが、参拝自体は信教の自由に属することである。閣僚など高位公職者であっても、個人がその信条に基づいて参拝する限り、中国や韓国に批判される謂れは無いだろう。私が嫌悪感を抱く理由の1つは、彼らの少なくとも一部は、保守派を装いながら、その実、反日政治家であるからだ。

 今年の場合、閣僚級では8月13日に、西村康稔経済産業大臣が靖国参拝を行ったのを皮切りに、8月15日午前中迄に、高市早苗経済安全保障担当大臣と秋葉賢也復興大臣が参拝した。終戦記念日前後の靖国参拝は、保守派や愛国者のイメージを支持者らに与える効果があることは明らかだ。彼らが言行一致であれば、参拝の是非は別として、政治家として筋は通っている。だが、先に挙げた3人の現職閣僚の内、少なくとも高市氏は、統一教会と浅からぬ関係を有していた。彼女が大臣就任後の記者会見で自ら明らかにしたところによれば、2001年に統一教会系新聞社の世界日報社が発行する月刊誌「ビューポイント」に、政治評論家らとの対談記事が掲載されたことがあると言う。高市氏は、世界日報社が統一教会と関係があるとは知らなかったと語ったが、国会議員でそんなことも知らなかっとは、嘘をつくならもう少しもっともらしいストーリーを作るべきであったと思う。仮に、本当に知らなかったとすれば、その程度の頭で経済安全保障を司るとは、身の程知らずと言うべきであろう。高市氏は、同じく統一教会系である「天宙平和連合」の行事に祝電を送ったことも判明しており、もはや「知らなかった」では済まないであろう。

 高市氏のケースは、彼女が絵に描いたような言行不一致であり、とても政治家としての資格が無いことを示している。何故なら、統一教会は、韓国をアダム国家として、彼らがエバ国家とみなす日本を従属させることを、教理的に正当化している、反日団体であるからである。また、彼らが霊感商法や合同結婚式などの手法を駆使して、多くの日本人の財産を収奪し、人生を破壊して来た事実に照らしても、反日団体と位置付けるに相応しいだろう。その反日団体と関係を有していた閣僚が、保守派を演じて靖国参拝を行うとは、精神分裂でなければ、全ては計算尽くの行動と言うことである。保守派を装いながら、反日団体統一教会と親密な関係を有していた安倍元首相と同様、彼女も、権力の高みに登るためには嘘を平気でつける、信用出来ない人物と言えよう。口先なら何とでも言えるが、行いは、特に公職者の場合には、その人物像を判断する決め手であろう。

「木が良ければその実も良いとし、木が悪ければその実も悪いとしなさい。木の良し悪しは、その結ぶ実で分かる」(マタイによる福音書 12:33 新共同訳)


 さて、私が、自称保守派政治家で、靖国参拝を行っている人々の一部に対して嫌悪感を抱くのは、彼らの言行不一致の故だけではない。もっと大きな理由は、彼らが本当に戦没者たちを悼む心を持っているか疑わしいからである。ここで1つ、戦没者との関わりを持って来た、ある夫妻の話を紹介したい。週刊新潮電子版である、デイリー新潮2022年8月13日付記事に、10年以上個人的に、沖縄戦の戦没者遺骨収集を続けている浜田夫妻の話が紹介された。ご主人の浜田哲二氏は元朝日新聞カメラマン、奥様の律子氏は元読売新聞記者とのこと。以下は、記事の一部抜粋である。「6月23日は沖縄県の『慰霊の日』だ。戦争末期、日米合わせて20万人以上が犠牲となった凄絶な戦闘。その激戦の跡地で、戦没者の遺骨や遺留品を掘り続ける元新聞記者同士の夫婦がいる。(中略)約30年間勤めた朝日新聞社を2010年に退職して以来、毎年1月中旬から3月中旬までの2カ月間、妻と二人で県内にアパートを借り、本島の中南部にある洞窟壕やジャングルなどに埋もれた戦禍の犠牲者と向き合ってきた。朝日新聞で写真記者(カメラマン)だった頃から、社内でも一風変わった存在と見られていた。ブラック企業の先駆け的な組織で、取りにくい休暇を使って沖縄へ通い、出張の際にも空き時間を利用して、簡単な道具と素手で地面を掘り続けた。リベラルな社風として知られる会社で、右翼的な取り組みと揶揄される遺骨収集を記事にしたり、自ら発掘作業にあたったりしたのも、変人と呼ばれたゆえんだろう。(中略)国の硬直した官僚主義を批判する新聞社が、それ以上の悪しき官僚的な組織だと気付いた頃から、早期退職を意識した。そんな時に出会ったのが遺骨収集。雇われ記者時代を含め、活動歴は足掛け20年に及ぶ」

 ここで引用した記事中には、浜田氏夫妻の遺骨収集費用については書かれていなかったので、ネット検索してみた。すると、彼らは、「みらいを紡ぐボランティア」(代表浜田哲二氏)という団体名で、2019年1月にクラウドファンディングで170万円を集めていた。プロジェクトの概要としては、次のように記されている。「はじめまして。プロジェクトを立ち上げたボランティア事務局の浜田哲二です。この活動は、沖縄守備隊の歩兵32連隊・伊東孝一大隊長の元へ終戦直後に届いた、部下の遺族からの手紙356通を『世に伝えてほしい』との依頼で始まりました。70数年間、誰にも存在を知らさなかった色褪せた書簡です。内容を紐解くと、我が子を亡くしても軍国の父母としての矜持を崩さない悲しき虚勢や、もう帰ってこない夫を想う妻の切実な心情が綴られています。沖縄での戦没者の多くは、家族の元に遺骨や遺留品が返っていません。(中略)学生たちと地を這うような探索を続け、40軒近く返しましたがまだ300通以上残っています。すべての遺族に手紙を返還するのが私たちの目的。来年は、この部隊が戦った洞窟で遺骨収集も実施する予定です。」彼らは、クラウドファンディングでの資金集めを手掛けるまでは、私財を投じて戦没者遺骨収集を続け、ボランティアの学生たちも、アルバイトで資金を稼いで、沖縄に渡っていたのだ。また、浜田夫妻の職歴が、それぞれ朝日新聞と読売新聞という、方やリベラル系と目され、もう一方は保守系と見なされている新聞社というのも、ある意味ではユニークではある。彼らの地道な活動が、政治的な思想信条とは別の動機に基づいている証左であろう。

 ちょうど1年前、本ブログで「死して屍拾う者なし(記事No.27)」と題した記事を書いた。そこでも触れたように、第2次世界大戦における日本の戦没者総数約310万人の内、未収容の遺骨が約113万柱である。その内、海没者約30万人を除くと、陸上戦没者の未収容遺骨は約83万柱である。本記事で紹介した浜田夫妻のような、民間有志の遺骨収集活動は尊い働きである。しかし、本来は、全て国の予算で、政府が公の戦後処理事業として行うべきものである。確かに、厚生労働省の事業として、遺骨収集活動が続けられてはいるものの、最初から、残置遺骨を全て収容することは念頭に置いていないと疑わざるを得ない。もし、国政に責任と権限を有している政治家たちが、戦没者を真に悼み、そして彼らを敬う気持ちを持っているのであれば、このような状況が続くことを、決して放置できないのではないだろうか?だから私は、毎年終戦記念日やその前後に、カメラの砲列の前に、これ見よがしに靖国参拝する政治家たちに対して、その真意を疑うのである。そして、こう思う、「何が靖国だ。」と。
read more…

もう一つの日本汚染(記事No.126)

 アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことに反発した中国は、案の定、台湾周辺海域などで、実弾演習を含む軍事的威圧行動に出た。中国が発射した弾道ミサイルの一部は、日本近海にも着弾した。沖縄タイムス電子版2022年8月6日付記事は、次のように伝えている。「ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置として、中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を始めた影響で、沖縄県の与那国町漁協(嵩西茂則組合長、組合員105人)は5日、周辺海域への出漁自粛を決めた。島から60~80キロの距離に弾道ミサイルが相次いで落下し、危害が及ぶ恐れがあると判断した」

 これまでの日本政府による具体的対応は、8月4日に、森事務次官が駐日中国大使に電話で抗議し、軍事演習の即刻中止を求めたことである。日本領土から数十キロ先の、しかも、史上初めて、日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾したにも関わらず、外務次官が電話で抗議しただけである。数年前に北朝鮮が、弾道ミサイルを日本周辺海域に向け発射した時とは違い、あまりにも対応が及び腰ではないだろうか。2016年5月30日付ロイター通信電子版日本語記事は、以下のように伝えている。「中谷元防衛相は北朝鮮が弾道ミサイルを発射する兆候があるとして、自衛隊に対し迎撃態勢を取るよう命じる破壊措置命令を出した。政府関係者が30日、明らかにした。命令を受け、自衛隊は東京・市ヶ谷の防衛省敷地内に地対空ミサイル『PAC3』を展開した。北朝鮮は今年に入って弾道ミサイル発射や核実験を行うなど、挑発行為を繰り返していたが、36年ぶりの労働党大会が終了した今月上旬以降は沈静化していた。日本政府は11日に破壊措置命令を解除していた」

 また、2017年8月29日と9月15日に北朝鮮が、大気圏外にせよ日本上空を通過し太平洋に着弾するミサイルを発射した際には、日本政府は、いずれも全国瞬時警報システム「Jアラート」を発令させ、関東以北の東日本に警報が伝達された。早朝にスマホや携帯の緊急速報や、防災無線の「ミサイル発射〜頑丈な建物や地下に避難してください。」との放送に、驚きや恐怖を感じた人も少なくなかったと思う。内閣官房国民保護ポータルサイトによれば、Jアラートが発令基準は次のとおりである。「全国瞬時警報システム(Jアラート)は、弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性又は領土・領海を通過する可能性がある場合に使用します。逆に、日本の領土・領海に落下する可能性又は領土・領海を通過する可能性がないと判断した場合は、Jアラートは使用しません。なお、領海外の日本の周辺海域(排他的経済水域(EEZ)等)にミサイルが落下する可能性がある場合は、Jアラートは使用しませんが、船舶、航空機に対して迅速に警報を発します」

 このように、過去の北朝鮮による弾道ミサイル発射の際には、日本政府は自衛隊に迎撃命令を出したり、国民に向けてJアラートを発令したりと、実効性に乏しいパフォーマンスとは言え、一応警戒する素振りは見せていた。今回は、海上保安庁が船舶向けの航行警報は出したものの、表向きは政府として特別な警戒行動には出ていない。2017年の場合は、同年10月22日投票の総選挙を控えていた故の、安倍政権(当時)の国民向けパフォーマンスではなかったのかと思える。ちなみに、その時の選挙結果は、与党圧勝であった。今回の中国による、台湾及び日本周辺海域へのミサイル発射への日本政府の対応は、過去の事例と比べても危機感に乏しい対応である。それだけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻を受けての、制裁行動と比べても、中国への対応は、あまりにも控え目な内容である。

 なぜ、そうなるのか?私の見立てでは、理由は2つある。1つは、日本経済の中国依存度が高いため、制裁の応酬になれば、傷が深くなるのは日本の方だからである。ちょうど、対ロシア制裁でより大きな打撃を受けているのは、対象国のロシアではなく、西ヨーロッパ諸国の方であるのと同じである。もう1つは、日本の与党政治家や官僚の中に、中国と特別な関係を有している者たちがいるからである。よく言われていたことは、旧民主党系や社民党の政治家の中には、中国と親密な者たちが多いと言うことであった。しかし、現在では、野党系よりも与党の方に、中国と近い政治家が多いと思われる。ここで言う特別な関係や、親密の意味とは、しばしばマネートラップやハニートラップにかかったことと、ほぼ同義である。例えば、20数年前に発覚した事案であるが、故橋本龍太郎首相は長い間、中国人女性通訳と親密な関係にあった。彼女は、北京市公安局の情報員であったことが後に判明しているが、恐らくは、対外情報活動を担当する、中国共産党中央統一戦線工作部の要員でもあったと思われる。一国の首相にまでなった人物でさえも籠絡されたわけであるから、他は推して知るべしであろう。

 中国の、日本を含む西側諸国への浸透工作は、マネトラ、ハニトラだけではない。教育や文化活動を装った工作もある。有名なところでは、「孔子学院」がある。読売新聞電子版2021年5月31日付記事は、次のように伝えている。「政府は、中国政府が出資し、日本国内の大学に開設している『孔子学院』の透明性確保に乗り出す。孔子学院を巡っては、中国の対外世論工作を担っているとの懸念があり、政府は各大学に情報公開を促し、動向を注視する考えだ。孔子学院は、中国政府が中国語や中国文化の普及を目的に2004年から世界各国に開設し始めた。19年末時点で世界162の国・地域の550か所に上るとされる。日本では、立命館大や早大など14の私立大に設置されている。」人によっては、これは単なる文化普及活動の一環であると思うかも知れない。だが、この読売新聞記事の続きにはこうある。「日本政府が対応を強化するのは、欧米諸国が孔子学院を中国のプロパガンダ機関とみなし、規制を厳しくしていることが背景にある。米国では、議会上院の国土安全保障・政府問題委員会が19年2月、『孔子学院の教員は中国の国益を擁護するよう誓約している』などと指摘する報告書をまとめた。トランプ前政権は昨年8月、米国内の本部機能を持つ『孔子学院米国センター』(ワシントン)に対し、大使館などと同様に、所有資産などの報告を義務付けると発表した。全米学者協会によると、米国内の孔子学院は昨年8月の67か所から、今月18日時点で47か所に減った。カナダ、フランス、ドイツなどでも閉鎖が相次いでいる」

 現在日本では、安倍元首相暗殺を機に、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)による政界への浸透に注目が集まっている。統一教会は、反日的な教義を有する(似非)宗教団体であるが、つながりを持つ政治家の多くは自民党に所属している。自称保守の政治家たちが、実は反日的組織と親密であったと言う皮肉である。中国共産党(中共)もまた、反日組織と見做して良いだろうが、これまた、彼らと関係が深い日本の政治家の多くは、いわゆる保守系である。旧社会党系の流れを汲む政治家が、中国や北朝鮮と親密だったのは公知の事実であるが、自民党や公明党の中にも、同様の政治家たちが少なくなかったのだ。都道府県知事の中にも、中国企業に便宜をはかったとの疑念を持たれている者たちがいる。これはもう、中共により日本が汚染されていると言うレベルであろう。中国が、台湾を軍事侵略する構えを見せている現在、日本の政府や公党に獅子身中の虫たちがいるようなていらくで、果たして国を守れるのだろうか?宮潔めならぬ、政府潔め、政界潔めの必要性を切実に感じる。手遅れにならないうちに、日本に神の介入があれば良いのだが。
「それから、彼らはエルサレムにきた。イエスは宮に入り、宮の庭で売り買いしていた人々を追い出しはじめ、両替人の台や、はとを売る者の腰掛をくつがえし、また器ものを持って宮の庭を通り抜けるのをお許しにならなかった」(マルコによる福音書  11:15-16. 口語訳)
read more…

東アジアに戦争の危機(記事No.125)

 国内外の報道によれば、アジア歴訪中のアメリカのナンシー・ペロシ下院議長は、8月2日夜に台湾を訪問し、翌3日には同国の蔡英文総統と会談する予定と言う。ペロシ氏訪台自体は、本来は他国がとやかく言う筋合いでは無いはずである。しかし、台湾を自国領土の一部とみなす中国政府は、この動きに激しく反発しており、軍事的行動も辞さずとの態度である。アメリカは、日本と同様、現在台湾(中華民国)とは国交を結んではいないが、同時に台湾関係法により、台湾防衛への支援を提供することを定めている。中国に対しては、1つの中国という彼ら(中共)の主張を認識し理解するという姿勢であり、アメリカが台湾を中国領土の一部とみなしているという意味では無い。日本政府も、明確には言わないが、アメリカと同様の立場である。ここ数年、日台の関係がより緊密になっていることは、公平に言って、先月暗殺された安倍元首相の、外交における数少ない功績の1つであろう。

 読者の皆さんもご承知のとおり、台湾(中華民国)は、一度も中共の統治下に置かれたことは無い、れっきとした独立国であり、主権、領土、国民という、国家としての全ての要件を備えている。しかも、国家元首である総統を、国民の直接選挙で選任するなど、現在のアジアにおいて、最も民主的な国家である。しかし、同時に、中共が国連における代表権を簒奪して以来、日米欧など西側諸国の大半は、次々と台湾との外交関係を断絶し、中国と国交を結んで来た。現在では、台湾と正式な外交関係にある国は、14ヵ国にまで減少しており、バチカン市国を除けば、大半が中南米諸国や太平洋の島嶼国である。これは、中国外交の成果と言うよりも、中共の援助や投資を餌にした、バラマキ外交の結果である。多くの国々が国交を結ぶ中国は、建国以来共産党独裁体制が敷かれている。国民が国家指導者を公然と批判しても、台湾では平和的手段を逸脱しない限りは逮捕されることは無いが、中国では直ちに公安に拘束されること必至である。

 このような台湾であるが、中共による絶え間ない恫喝と軍事的脅威にさらされている。政治的、軍事的には対立関係にある両国であるが、経済的には相互依存の側面もあることは事実である。台湾のメーカーなどが大陸側に投資し、現地に設立した工場で、台湾企業向けの部品製造を行うなどの事業活動が行われている。しかし、昨年11月に中国政府が、台湾与党・民主進歩党への大口献金企業である台湾企業の現地法人に対して、環境や安全上の瑕疵を口実に、約16億円相当の巨額の罰金を課して以来、台湾経済界は、対中投資にはより慎重になっている。中共の台湾統一に向けた戦略の1つには、経済的に台湾の中国依存度を高めさせることがあると思われるが、衣の下の鎧が見えたような出来事であった。習近平国家主席は、2013年3月に就任以来、任期中の台湾統一に強い意欲を示して来た。習氏は2027年に3任期目を終えるが、同年は中国人民解放軍創設100周年の節目でもある。中共が、2027年迄に台湾に侵攻する計画を策定している可能性は高い。
 
 とは言え、台湾はアメリカと正式な同盟関係は無いものの、断交以降も、軍事的な協力関係を維持して来た。これは、日中戦争当時にアメリカが、蒋介石を支援する義勇空軍部隊を送り込んで以来の、今なお続く(準)軍事同盟関係である。公式には、米台断交により駐留アメリカ軍は全て撤退したことになっていたが、実際には、訓練支援や連絡調整のため、非公式に少数の要員が派遣されていた。2021年10月には、蔡英文総統がCNNの取材に対して、台湾に小規模な米軍部隊が駐留していることを公に認めている。今回のペロシ氏訪台においては、中国軍に対する牽制のため、アメリカは空母機動部隊を周辺海域に派遣しているが、中国も虎の子の空母2隻を出航させたと言われている。8月2日日本時間21時時点で、中国では福建省や上海市など沿岸部を中心に、民間航空路線が軒並み欠航となっており、中国空軍が臨戦体制に入ったとの観測もなされている。台湾側は今の所、民間航空機も通常飛行するなど平静を保っているが、海空軍を中心に警戒レベルを上げていることは想像に難くない。

 台湾海峡がにわかに波高くなって来たような状況であるが、ここで気になるのは、7月下旬に、アメリカのビクトリア・ヌーランド国務次官が来日していることである。ヌーランド氏が、エマニュエル駐日アメリカ大使と会談したことは公表されているが、恐らくは、在日米軍高官らとも協議を行ったと思われる。主要なテーマは、中国が台湾に対して軍事行動を起こした場合の、アメリカおよび日本の対応ではなかったかと推測する。この場合、アメリカは主体的に行動するのはもちろんだが、日本はアメリカからの指示を受けて行動することになる。ちなみに、ヌーランド氏は、父方の祖父がロシアから移住したユダヤ系ウクライナ人であったが、オバマ政権時代に国務次官補に任命され、自身も外交官としてウクライナに深く関与している。当時の彼女の任務は、親ロシア派であったウクライナのヤヌコビッチ大統領を失脚させ、同国に親米政権を樹立することであったと言われるが、見事任務を果たしている。その「成果」は、今年2月にロシアによる侵攻を呼び込んだことにつながっている。言うならば、ヌーランド氏は、戦争屋またはその手先である上級工作員である。

 こうなると、今回のペロシ氏台湾訪問は、単なる米台友好関係の促進だけでは無いことが伺えよう。少なくとも、中国に対する台湾防衛意思の表明であり、最悪の場合は、中国対台湾・日本・アメリカの戦争準備行動の一環である。中国が台湾に対して武力行使の暴挙に出た場合、自国防衛のために台湾軍が戦うのは当然であるが、東シナ海方面では日本が支援の前面に出ることになる。アメリカ軍が、中国軍との直接交戦に踏み切るかは分からない。現在のウクライナを見れば、沖縄やグアムの米軍基地を攻撃でもされない限りは、アメリカ軍は後方支援に徹し、戦うのは台湾軍と自衛隊になる可能性がある。日本が中国に対する防衛体制を整備するのは当然であるが、軍備だけでは国は守れない。中国を警戒しつつも、敵視して対立を深めるのは得策ではない。本来なら、硬軟併せ持つしたたかな外交を打ち出せれば良いのだが、悲しいかな、宗主国アメリカの意向には逆らえない。アメリカが対中強硬姿勢を取るならば、日本も右に倣えである。最後の最後に梯子を外されて、東アジアで戦争が勃発した際に、日本が戦場にならなければ良いが。

 ウクライナ戦争が勃発して以来、この戦争を起こした者たち、アメリカとロシアの戦争を起こそうとしている者たち、第3次世界大戦を起こそうとしている者たち、彼らの邪悪な野望が打ち砕かれるよう祈って来た。今、それらに加えて、日本・台湾と中国の戦争が起こされないよう、悪き者たちの計画が打ち砕かれるようにと祈っている。地道な平和への努力は尊いが、国家が、あるいは国家を超えたグローバリスト集団が開戦を決意するなら、それら善意の行動は、いとも簡単に踏み躙られるのが現実である。となると、平和を実現するための最大の武器は、神に対する祈りしかない。これこそが、地上で最も強力な武器である。今こそ、平和のために、その武器を用いる時である。
「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう」(マタイによる福音書 5:9 口語訳)
read more…